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英会話学校の中途解約

英会話学校の中途解約

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■英会話学校の中途解約

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このページでは英会話学校の中途解約に関して説明します。

エステ、外国語会話教室、家庭教師派遣、学習塾、パソコン教室、結婚情報サービス等のいわゆる継続的役務取引は「特定継続的役務提供」として規制をうけています。

 

ア)特商法について

1)事業者に対する書面交付による情報開示の義務付け
2)威迫、困惑等の行為の禁止
3)クーリングオフ、中途解約権の定め
4)罰金額の引き上げ、法人重課の導入
5)消費者等からの申し出による調査、人材養成等の業務を行う指定法人制度の導入

イ)割賦販売法について

1)事業者に対する書面交付による情報開示の義務付け
2)損害賠償額等の制限
3)割賦購入あっせんにかかる抗弁権の接続等

以上が概要ですが、消費者に中途解約権を認める一方で、業者の損害賠償の制限や法人重課、情報の開示義務など、消費者の保護をはかり逆に業者に対する規制や罰則の強化が特徴と言えます。

またいままで特商法上で対象にされなかった部分まで、保護が及んでいます。

■英会話の中途解約の具体的な特徴

なんといっても中途解約の際の違約金において上限額が定められたのは非常に大きいことです。また特定継続的役務の業者にも法定のクーリングオフが適用になりますからこの点も消費者保護が計られました。

またこの手の業者は「店鋪契約」が多い為にその契約方法(例えば訪問販売やキャッチセールス)によらずに(1)の基準にあう業者であれば、全てクーリングオフができるということになります。

1)特定継続的役務提供の具体的な役務、期間および金額については以下の通り定める。

特定継続的役務 期間 金額
いわゆるエステティックサロン 1月を超えるもの いずれも5万円を超えるもの
いわゆる外国語会話教室 2月を超えるもの
いわゆる家庭教師派遣 2月を超えるもの
いわゆる学習塾 2月を超えるもの
パソコン教室 2月を超えるもの
結婚情報センター 2月を超えるもの


この表にあてはまる業者は全て改正法の規制する業者となります。所定の書面交付義務、説明義務、クーリングオフ規定などが適用されます。

書面の中でなんといっても大きいのが「概要を証する書面の交付」です。これは契約以前の段階で業者の財務内容や契約の内容を消費者が合法的に調べられるというもので、閲覧のみならず、謄本、抄本というコピーまで請求できるようになっております。契約前に調べられますので安全です。

その際のポイントのひとつに「前受金の保全処置」という欄があります。これは一括して大金を払い込みサービスを受けようとしたが、業者が破産した。その際に既に払い込んだお金は戻るのか?という場面で効果がでます。保全措置で全額保全とあれば戻る可能性は高いですし、「なし」とあれば、破産手続きの中での戻り分しか期待できません。

2)財務書類等の備え付け義務の対象となる前払い取引の下限額を5万円とする。

3)クーリングオフ、及び中途解約の対象となる関連商品

これは、サービスを受ける段階で、買わせられることが多い商品までもクーリングオフできるようにするというものです。もしこの規定がないと、店鋪契約の場合はクーリングオフが商品に関してできないということになります。その意味で重要です。

エステティックサロンについては

・いわゆる健康食品※

・化粧品、せっけん(医薬品除く)及び浴用剤※

・下着

・美顔器、脱毛器

外国語教室、家庭教師派遣、学習塾については

・書籍(教材含む)

・カセットテープ、CD等のいわゆる学習ソフト

・ファクシミリ機器、テレビ電話

※:使用又は一部消費の場合にクーリングオフができなくなる

4)特定継続的役務提供契約の解除(中途規約)に伴う損害賠償額の額の上限を以下の通りに定める。

特定継続的役務 役務提供開始前 役務提供開始後
エステティックサロン 20,000円 2万円か契約残額の10%の低い方
外国語英会話教室 15,000円 5万円か契約残額の20%の低い方
家庭教師派遣 20,000円 5万円か1ヶ月分のサービス料の低い方
学習塾 11,000円 2万円か1ヶ月分の授業料の安い方
パソコン教室 15,000円 5万円か契約残高の20%の低い方
結婚情報サービス 30,000円 2万円か契約残高の20%の低い方

今までこの「中途解約」のトラブルが非常に多発していましたが、消費者が金額の安い方を選べますし、中途解約権として法律で認められましたから、今後のトラブルは減るものと思われます。

ただしこちらは既に受けたぶんのサービス料は支払わなければいけません。

5)割賦販売法の抗弁の接続

?これも非常におおきな改正点です。従来は例えば倒産してサービスを受けられなくなっても「クレジット契約」の解約はできませんでした。これは割賦販売法で役務サービスには支払いの抗弁の接続がないとされていたからです。

特定継続的役務提供業者には抗弁の接続が、指定役務、指定権利について認められました。一層の消費者保護が計られました。

国民生活センターのくらしの判例集 http://www.kokusen.go.jp/hanrei/data/200411.html

東京都でもhttp://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.jp/s_sodan/meni/hanketsu_1607.pdf

2005/02/16にこちら

■英会話中途解約の元受講生へ受講料返還命じる

 英会話学校大手「○○○○」(大阪市)の元受講生で東京都内の男性が「途中解約したのに前払いした受講料の残額を返さないのは違法」として、受講料の一部返還を求めた訴訟で、東京地裁は16日、請求通り約31万円を支払うよう命じた。途中解約の場合に受講済みの受講料単価が上がり、結果的に受講料の返還額が下がる約款の是非が争われたが、水野邦夫裁判官は「前払い時の単価で算定するのが原則で、(解約後に単価が上がるのは)合理性がない」と指摘した。

 判決などによると、○○○○は、まとめ買いするほど単価が下がる「ポイント」を受講生が先に購入して受講する方式を取っており、男性は01年、600ポイント分の受講料など計78万7500円をまとめて前払いし、04年に386ポイントを消化した段階で解約を申し出た。ポイント当たりの単価1200円に消化ポイント数をかけた額を除いた分などの返還を求めたが、○○○○側は約款を基に550円高い単価を主張した。判決は「(約款は)特定商取引法が保障しようとしている途中解約権を制約するものと言わざるをえない」と述べた。【坂本高志毎日新聞より引用】
▽○○○○の話 判決は「まとめてたくさん買えば単価が安くなる」という商取引の常識を実質的に否定することになり、到底、納得できない。即、控訴の手続きを取る。    

2007年3月20日づけニュースでこの英会話学校NOVAの敗訴が最高裁にて確定いたしました。

<NOVA>敗訴確定へ 最高裁、弁論開かず4月3日に判決
3月19日20時40分配信 毎日新聞より引用
  英会話学校大手「NOVA」(統括本部・大阪市)に入学後、途中解約した男性が「前払いした受講料の残額を返さないのは違法」として返還を求めた訴訟で、最高裁第3小法廷(那須弘平裁判長)は上告審判決を4月3日に言い渡すことを決め、関係者に通知した。弁論が開かれていないことから、請求通りNOVA側に約31万円の返還を命じた1、2審判決が確定する見通し。NOVAの解約を巡っては複数の訴訟が起こされているが、最高裁判決は初めて。同種訴訟に影響を与えそうだ。
  1、2審判決によると、男性は01年9月に600回のレッスンを受講出来る「ポイント」を75万6000円(1回分
1260円)で購入するなどして入学。386回のレッスンを受講後、04年7月に解約した。NOVA側は、途中解約すると使用済みポイントの単価が上がって結果的に返還額が下がる約款に基づき、返還額はないと主張したが、1、2審は「約款は特定商取引法に反して無効。購入時単価によって計算すべきだ」と判断した。
  国民生活センターによると、NOVAの契約や解約を巡っては、96年から今年2月半ばまで7000件超の苦情や問い合わせが寄せられている。経済産業省や東京都も同法違反の疑いなどで今年2月に立ち入り検査を行った。【木戸哲】

最終更新:3月19日20時54分

NOVAの敗訴確定へ=弁論なく、来月判決−最高裁
3月19日20時32分配信 時事通信より引用
  英会話学校大手NOVA(ノヴァ、大阪市)の講座を中途解約した男性が未受講分のレッスン料の返還を求めた訴訟の上告審で、最高裁第3小法廷(那須弘平裁判長)は19日までに、判決を来月3日に言い渡すことを決めた。弁論が開かれていないため、約31万円の返還を命じたノヴァ側敗訴の一、二審判決が確定する見通し。
  同小法廷は、中途解約した場合の返戻金に関して初判断を示すとみられ、ほかの同種訴訟にも影響を与える可能性がある。  最終更新:3月19日20時32分
のように、新たな中途解約に関するトラブルが起こっています。
これは中途解約のさいの精算基準などに関するトラブルなのですが多いものは

1)契約時にまとめて買うことで単価が安くなるようにしているが中途解約の際には正規の単価で計算をされる

2)中途解約の際には実際の受講分や時間に応じた精算ではなく、経過期間によって自動的に履修したとみなされて計算をされてしまう

3)上記のようなものを約款で規定しており、消費者が納得の上で契約をしたと主張を行う

のように「一方的に消費者不利の中途解約精算方法」をとる学校も目立ちます。

果たしてこれは許される約款なのでしょうか?

私個人の見解としては、東京地裁などの判決の考えを支持します。

理由>

1)中途解約権とはそもそも消費者有利な立場で捉えるべき性格の消費者保護規定である

2)消費者契約法などの法令でも「消費者に一方的に不利な約束」は無効となる考え方がある

3)特商法においても、例えば消耗品などの考えで既に使用した分とは実際に使用した分のみの支払でよいとの考え方が定着している

4)商取引の常識と消費者の保護利益をバランス考慮すると、消費者はそもそも弱い立場であり、契約時においてこのような不利益な事実を真に理解することが能力的に難しく、また会社側の用意した契約書を一方的に提示されて契約することが多い為、消費者の契約時の理解レベルに合わせた精算方法が好ましい

5)概要書面や契約書面の交付義務があるという事は正しい契約内容を提示し説明する義務が事業者側にあると捉えるべきであり、仮に不利益な精算方法があるとしたならばそれは事前に明確に説明すべきである。こういった不利益約款は不利益事実を故意に隠して説明をしたと考えることも可能ではないのか?

6)実際に受講していない分まで期間経過をもって受講済とみなして精算請求する事は、中途解約権の趣旨そのものを侵害しているのでは

以上の理由から、これらの不利益な精算方法は特商法の強行法規により無効であり、正確に実際の受講分や契約締結時の単価などで精算をすることが好ましいとの判決を支持しています。

但し普通に中途解約の請求をしますとまず約款にしたがってと不利益な精算方法で返ってくることが多く、消費者側の意識を高めたりより一層の判例などでの考え方の定着や業界の顧客サービスや法令の解釈に関する認識が変わる必要があると思います。

ちなみにその後平成19年6月14日付で株式会社ノヴァことNOVAには一部業務停止命令が出されました。
この最高裁の判決を踏まえたものであり、司法判断が正しかったという事になりますね。

 

■最後に

英会話の中途解約についてはこのページではおおまかなことしか、書いておりません。われわれ行政書士は日々街の法律家として、予防法務にたずさわっております。お困りなことがありましたら、ぜひ行政書士に御相談ください。当事務所でも、オンラインで業務受任、クーリングオフ等の法務相談を行っております。お気軽にどうぞ。

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悪徳商法撃退77の秘密
あおば出版「悪徳商法撃退77の秘密」
行政書士 吉田安之 監修